新型コロナのワクチンを待望されている方へ医学史的事実をお伝えしておきます。

新型コロナのワクチンを待望されている方へ医学史的事実をお伝えしておきます。

2020/6/6

こんにちは、医師・医療経済ジャーナリストの森田です。

新型コロナウイルスの世界的なパンデミックを受けて、ワクチンを待望される声が大きいですね。

では、コロナに対する強力なワクチンが出来る可能性は高いのでしょうか?それとも低いのでしょうか?これまでどんなワクチンがあって、どれだけの効果があったのでしょうか?

今回はワクチンの歴史を

1,超絶効いたワクチン
2,かなり効いたワクチン
3, 微妙なワクチン

に分けて解説することで、新型コロナへのワクチンの可能性を書いておきたいと思います。

 

 

1,超絶効いたワクチン

 

なんと言っても『天然痘ワクチン』です。

天然痘はかかったら20〜50%の確率で死に至る非常に重篤な病気でしたが、ワクチンの登場で激減しなんと今は地球上から『根絶』されました。

ジェンナーとか緒方洪庵の「種痘」「牛痘」などの言葉が教科書に出てきたと思います。実は彼らは、世界で猛威を奮い多くの命を奪っていた「天然痘」と戦っていたのです。そして天然痘ウイルスは、当初は牛痘、そしてその後に開発されたワクチンによって根絶されたのです。

20〜50%の致死率の超絶怖い病気を地球上から根絶したのですから、ワクチンってすごいですよね。

もちろん、もう天然痘ウイルス自体が地球上から居なくなったので「天然痘ワクチン」も今は全く実施されていません。

我々がこうしてのんきに生きていられるのも、先人たちの努力と「ワクチン」の効果のおかげなのですね。感謝してもしきれないくらいの功績だと思います。ワクチンの効果をちょっと過小評価していたな〜、という方々は、ぜひこの「天然痘ワクチン」の科学的事実を再確認しましょう。

 

 

2,かなり効いたワクチン

 

あと、天然痘ワクチンほどではないですが、

「昔は結構流行したのに、今はワクチンのおかげでほとんど見ることのない感染症」

も結構ありますね。

例えば

・麻疹(はしか)
・結核 ← BCGワクチン
・ポリオ
・狂犬病

などです。

麻疹は致死率も高く、かつては天然痘と並んで2大感染症と言われていたのですが、ワクチン導入後に患者数が1/00~1/1000になったと言われるほど激減しました。現在、日本でも散発的に少数の流行がある程度で、ほとんど見ることはなくなりました。

結核もかつては日本人の死因の1位だったこともあった非常に怖い感染症でしたが、BCGワクチンの登場で患者数は激減しました。現在の日本でも、決してゼロではないのですが、大流行していた過去に比べれば「稀な」感染症となっています。

ポリオ、狂犬病に関しても同じで、ワクチンの効果により日本ではずっと患者ゼロが続いています。が、外国ではまだ感染例が出ていますので、天然痘のように「根絶」とまではなっていません。

 

これらの感染症は患者数が激減していますので、ワクチンがかなり効いていると言っていいと思います。繰り返しますが、ワクチンの効果をちょっと過小評価していたな〜、という方々は、ぜひこの科学的事実を再確認しましょう。

 

 

 

3,微妙なワクチン

 

一応ワクチンはあるけど、患者数激減!とまではいかないワクチンもあります。

インフルエンザワクチンがその一つでしょう。

 

日本でも毎年インフルエンザが流行しますよね。ということは、もちろん「根絶」には程遠い、「激減」とも全然言えないわけです。実際、ワクチンを打ってもインフルエンザにかかる人はかかりますし…。ま、ワクチンを打ったら50~70%くらいの確率で感染予防できるかな〜と言うところでしょうか。

(とは言え、みんなで打つことで少しでも感染数を抑えられればそれだけ重篤化・死亡する人も減るわけですので、やはり推奨されるべきだとは思います。僕も毎年打っています)

 

じゃ、コロナは?

 

ということで、コロナウイルスのワクチン。

そろそろ開発されるのでは?という話もちらほら聞こえてきましたが、上記3つのどのパターンになるのでしょうか。

インフルエンザワクチンよりは効いてほしいな〜、とは思いますが…。

まぁ、蓋を開けてみなければわかりませんね(^_^;)


ちなみにワクチンで出来た抗体(体内で作られる病気に対する武器)がどれくらいの期間もつのか?というのも蓋を開けてみなければわかりません。結核のBCGみたいに何十年ももつものもあれば、インフルエンザのように数ヶ月しかもたないものまでバラバラなので…(^_^;)

 

 

以上、「新型コロナのワクチンを待望されている方へ医学史的事実をお伝えしておきます」でした。

 

 


注:この記事は投げ銭形式です。
  医療は誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」
  という信念なので医療情報は基本的に無償で提供します。
  でも投げ銭は大歓迎!\(^o^)/
  いつも一人で寂しく(しかもボランティアで)
  原稿を書いているので、
  皆様の投げ銭から大いなる勇気を頂いております!
  ありがとうございますm(_ _)m

 

 


ぼくの本

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★★★★★★★★★★★★
日本医学ジャーナリスト協会
優秀賞受賞作品(2016)
★★★★★★★★★★★★

財政破綻により病院がなくなってしまった夕張市、
しかも高齢化率は市として日本一。
果たして夕張市民の命はどうなってしまうのか?‥。
しかし財政破綻後のデータは、夕張市民に健康被害が 出ていないことを示していた。

事実、夕張市民は笑顔で生活していた。
「病院がなくなっても市民は幸せに暮らせる! 」
それが事実なら、それはなぜなのか?

本書は、その要因について、先生(元夕張市立診療所所長)と
生徒2人の講義形式でわかりやすく検証してゆく。

夕張・日本・世界の様々なデータを鳥の目で俯瞰し、
また夕張の患者さんの物語を虫の目で聴取するうちに3人は、
夕張市民が達成した奇蹟と、その秘密を知ることとなる・・。

少子高齢化や財政赤字で先行きが不透明な日本。
本書は、医学的・経済学的な見地から
医療・介護・地域社会の問題を鮮やかに描き出し、
日本の明るい未来への処方箋を提示する希望の書である。

森田洋之 著

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コメント: 3
  • #1

    村上裕也 (日曜日, 07 6月 2020 07:33)

    夕張を取り上げられた本を購入します。

  • #2

    種子 彰 (金曜日, 12 6月 2020 17:24)

    以前に森田先生のBCG コロナウイルスの死者数の国別相関グラフを拝見し,
    感動致しました.日本では既にBCG接種は終戦後にGHQのテイラー氏により普及
    しましたが,アメリカ本国と沖縄はBCG未接種で本土復帰後にBCG接種ト成りました.
    占領当初に岩手県盛岡市山岸小学校まで視察にきて良い点を採用して頂きました、
    沖縄は担当者が異なり米国本土と同じ判断でした.
     先生の啓眼の様に,感染率も低く且つCTや等で信行状況も確認できて,死亡率を
    抑えれたことは良かったと思います。
     緊急事態宣言が解除されて一周間後にアベノマスクが届きましたが,無駄なアホのマスクです.10万円をばら撒いても別の人に投票します。国の借金を増やして,三本の矢も折れたままです.

  • #3

    大橋日出男 (火曜日, 16 6月 2020 23:40)

    所属:NPOあすも特注旅行班

    平素より先生の記事を拝読し、勉強させていただいております。
    さて、
    国の抗体検査(東京・大阪・宮城)の結果が出ていました。
    東京や大阪のような、比較的感染が広がった地域でさえ、
    抗体を持っている割合は、0.1%しかない。
    ということは、
    99.9%の人々は未感染という意味でしょうか…。
    もしそうだとすると、
    ほぼ抗体なんてゼロに等しい。。
    つまり、
    『自然と集団免疫を得る』なんてことは、まだまだ先になるし、
    大半の人の体にとっては、変わらず『未知・未体験のウイルス感染』ってことですよね?
    これが本当なら、、、
    いわゆる第一波と同じような感染拡大が今後も当分続く可能性があるし、
    ワクチンの完成待ちしか現実的に人々が免疫を得る方法は無いような気がしました。