-広告-

入院と在宅…その選択は誰が決めるのか?

森田 洋之
「家に帰りたいです」
90代のその女性は力強くそう言った。
私が救急当番をしていた県内の病院、
前日からの発熱と咳で食事も取れず、
検査の結果は肺炎。
普通に考えれば当然「入院」。
そんな私の思いをよそに発せられたのが彼女の冒頭の発言だ。
ご家族は不安顔。
たしかに医学的な見地からは「入院治療」が正解だが、
私はその病院で在宅医療も担当していたので、
入院?在宅?医者でも正直迷う。
以上のすべてを御本人・ご家族に説明したうえで、
「帰りたい。」彼女の意思は変わらない。
私は言った。「迷った時は本人の希望が一番です。
翌朝ご自宅に電話で容態を確認したところ、「
万一のことまで想定していた私は、
しかしこのときはたまたま結果が良かっただけ、
それでも、私は「ご本人の思い」
なぜなら、「どんな人生を送りたいのか?」
その選択をそっと支援できる、陰ながら支えられる、
(本記事は南日本新聞「南点」R1/7/12に掲載されたものです)
シェアはこちら↓↓