寝たきりの人が国会議員に


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医療寝たきりの人が国会議員に

 

 

 

先日の選挙で、寝たきりのお二人が参議院議員に選出された。

 

「寝たきりの人とか、そういう話はあまり良くわからない…」

 

と思われるかもしれない。

 

しかし、その「あまり良くわからない…」という気持ちの裏に「自分たちは安全圏で、あの人達は別枠の人」と言う意識はないだろうか?

 

LGBT、重度障害者、いじめられてる子供…「彼らは自分たちとは別枠の人たち」とレッテルを貼って、自分たちの世界から「排除」してはいないだろうか?

 

実はこうした「社会の分断化・孤立化」の静かな潮流は、特に高齢者医療・介護の世界において深刻な影を落としている。

 

 

都道府県別でみると、県民一人あたりの入院医療費には1.8倍もの差がついている(ちなみに鹿児島県は 全国2~3位の高医療費県である)が、この差の多くの部分は高齢者・精神/身体障害者などに対する「慢性期医療」の差である。なぜ慢性期医療なら差がつくのか…。

 

 

それは長期に医療が必要な弱者に対しては「社会的排除」が容易だからである。そしてその弱者とは、あなたが「自分は安全圏だけど彼らは別枠の人」とレッテルを貼った人たちのことだ。

 

 

社会全体が、障害があっても病気があっても「共生」できる社会になることは、全ての国民にとっての恩恵になるはずだ。

 

なぜなら、誰だって事故で障害を得ることはあり得る、高齢になって病気になることはあり得る、その時、社会から「いなくていいよ」と言われるか、「できる限り一緒にいようよ」と言われるか。

それは本当に大きな違いだし、そんな「いなくていいよ」と誰かを排除して成立している健常の社会なんて、居心地が良いわけないのだから。

 

そう考えると、「寝たきり」状態のお二人が「国会」に登壇するということの重要性と意義がよく分かるのではないだろうか。

 

今もう一度、日本の医療の原点にかえって、真の「社会的寛容」の精神を思い出し、「共生社会」の実現を考えたい。

社会的排除の現実

南日本新聞

 (本記事は令和元年8月9日掲載の南日本新聞「南点」のテキスト版です。

元記事はhttps://www.mnhrl.com/reiwa-hunago-kimura-2019-7-23/で、こちらをを要約・一部改変したものです)

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