医師と患者はなぜすれ違うのか?の根本原因が見えた。 〜ちきりん氏のリノベ本を読んで〜

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医師と患者はなぜすれ違うのか?の根本原因が見えた。 〜ちきりん氏のリノベ本を読んで〜

森田 洋之

 

 

 

こんにちは森田です。

 

 

ジメジメした季節になってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 

 

先日ちきりんさんの

 

 

「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」

 

 

 

 

 

 

 

を読んだのですが、その中に、医療従事者としてとても考えさせられることが書いてありましたので、今日はそれを簡単にご紹介しようと思います。

 

前振りは短めに。早速本題いきましょう。

 

ちきりんさん曰く

 

 

世の中の取引には、売り手と買い手が「等価な価値を交換する取引」「両者で共に創出した価値を分け合う共同プロジェクト型の取引」があります。日常的なお買い物の大半は前者です。


(中略)自分のやっているビジネスが等価交換型の場合、共同プロジェクト型の取引について理解するのがとても難しい。自動車メーカーの人は、車の対価(代金)を受け取る際、常に「完璧な自動車」を顧客に提供します。指定された色、オプション、納期・・(中略)、それらはすべてメーカー側が単独で責任を負って提供すべきものであり、買い手側の協力が必要になったりはしません。客が提供すべきなのはお金だけなのです。

 

 

なるほどですね。本の中でちきりんさんも言及されていますが、『医療』の世界は『共同プロジェクト型』の典型例と言えると思います。

 

診療はお金との等価交換で行われるものではありません。『お金払うからさあ治せ。完璧な医療を提供しろ』と開き直られても僕ら医師はとてもつらいのです。

 

まず『問診』に協力してくれないと正確な診断にたどり着けないし、また治療の際にも患者さんに協力してもらって、汗をかいてもらわなければできない治療も山程あります。糖尿病などの生活習慣病は、まず最初に患者さんの生活習慣の改善が必要ですので、まさに『医師と患者の共同プロジェクト』です。

 

まあ、急性期医療、特に救急医療や外科手術などでは患者さんに意識がなくて何もできないこともあるわけで、そこは『共同プロジェクト』とは言いにくい部分でもあります……でも逆に、前述の生活習慣病もそうですが、さらに終末期医療などすでに医療で解決できる部分が殆どなくなってきているような段階においては、「患者さん・ご家族と一緒に悩んで『納得』を醸成していく」という過程こそが重要になってきます。ですので、これはまさに「共同プロジェクト型」と言っていいでしょう。

 

そう考えると、医療においては中高年の生活習慣病や高齢者(終末期)医療の部分でより「共同プロジェクト型」の側面が強くなっていくような気がします。

 

 

 

ちきりんさんは更に続けます。

 

実はリノベ会社の人もリノベが共同プロジェクトだということを言語化できていません。それを理解している客を「やりやすいお客さん」、理解していない客を「やりにくいお客さん」だと思っているだけです。

(中略)ざっくり見積もって、世の中の労働者のうち「共同プロジェクト型の取引」に従事しているのはせいぜい2割です。日本はメーカーが多いので、多くの人は「完璧な商品を提供するのが売り手側の責務」だと信じて疑いません。

(中略)人生の早いうちに世の中には等価値交換型の取引に加え、共同プロジェクト型の取引が存在するのだと気づくことのメリットは、だれにとっても大きいはずなのです。

 

 

 

これはまさに、リノベ業界だけでなく、医療業界でも言語化できていないと言っていいのではないでしょうか。

「お金を払ったんだから、完璧な医療を提供するのが医者の仕事」と無言のプレッシャーをかけてくる患者さんに対し、我々医師は「医療の世界に完璧な商品はないので、一緒に共同していい形に作り上げていきましょう」と説明できているでしょうか?

 

さらに言えば、これは患者さんサイドの問題ばかりではなく、医療サイドの問題でもあるかもしれません。

 

 たとえば救急医療や緊急手術などを多く担当しているため、あまり「共同プロジェクト型」の医療に慣れておられない先生などは、共同プロジェクト型の医療の世界に移っても、「俺の仕事はこれが専門だからここまではガイドラインどおりに完璧にやるけど、患者さんとコミュニケーション取りながらとかはちょっと・・・」なんて思っている先生も多いかもしれません。

 

 そういう意味では、医療サイドも医療、特に中高年〜高齢者医療が「共同プロジェクト型取引」であることを再認識する必要があるでしょう。

 

 まぁ、自戒を込めて言えば、僕なんかの場合は「共同プロジェクト型」の取引に慣れすぎちゃってきて、「特に高齢者医療はそもそも不確実性の高くてあとから条件や状況がコロコロ変わることが普通なんだから、最初からあんまり完璧を求めなくても…患者さんと相談しながらボチボチ考えていけばいいかな〜」なんて甘い考えにもなりがちで、、、そっちも非常に問題ですけど!(^_^;)

 

 

しかし、こうして「等価値交換型取引」と「共同プロジェクト型取引」として、明確に言語化して切り分けていく考えると、頭の中もスッキリと整理されて、現場の診療にも落とし込みやすくなってとてもありがたいですね。

 

医師と患者の考えがすれ違う原因、って案外こういう根本的な考え方の違いも一因としてあるのかもしれないですから。

 

 

ちきりんさんに感謝!

 

 

今回は以上でした。

 

 

 

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